今日も今日とて兄妹と保護者っぽい二人で冒険していたわけよ。

魔物を使った料理があるってんで教えてもらったわけ。
「じゃあ、今日はせっかくなのでこのレシピのお料理をしますね」
とか妹さんが言うもんだから、材料狩りとかしちゃったり。
まさしく本当の意味でハントマン。

で、料理がいろいろできてきたんだけど、
明らかに食い物じゃなさそうなものも何点かあるわけ。
妹さんも「レシピどおりにつくったんだけど…」と自信なさげ。
とりあえず「いただきまーす」と食べ始めたのよ。

「これ、何だ?」「うどんらしいです」「…斬新だな」
眼鏡メイジが、とりあえず一口よ。「いや、これすんげえ冷たいんだけど」
「ちゃんと茹でましたよ?」「じゃあこういう味なのか」
意外ときちんと食べる。が。
「あ、やばい。腹が……」席を立って出ていったわけ。冷えたから。

「これは?」「温泉まんじゅう、らしいです」
「ああ、あのキモイジジイの宿の土産物ね。こうやって作るんだ」
騎士姐さんは当たりっぽい。そりゃ温泉まんじゅうだもんな。

「で、残っているのはこの変な色した物体なんだが」
「リゾット、らしいです」一応妹さんが補足する。
「兄さん、これは流石に危険だと思います。先ほどの例もありますし…」
「食っとくべき」姐さんめっちゃ無責任。
「そうだな。せっかく作ってくれたんだし」兄さん結構乗り気。
「でもでも! 私の料理のせいで兄さんが寝込んだりしたら…」
「その時は、看病よろしく」
「あ、はい。それは勿論…って違います! それを未然に防ぎましょうよ!」
「でも二人っきりで看病とかもよろしくない?」
「『はい、あーん』とか気兼ねなしにできるぜ」
「そ、それは魅力的かも…」
「な、ほら、グイッと食わせてみろよ」
「じゃ、じゃあちょっとだけ……っでいつの間にいるんですか!」
眼鏡メイジが会話に入っていることに驚き顔を上げる妹さん。
その反動で兄さんがバランス崩してリゾットをぶちまけるわけ。
空中を舞うリゾットは眼鏡メイジに降りかかって
「うお、痛い。痛いって! いや痛いってば!」
ジジジジッ!と眼鏡メイジの周りで電気を起こすのでしたとさ。

「やっぱり食べ物じゃなかったんだな」
「嬉しいのか残念なのか微妙な気持ちです…」