「聖騎士の私が皆に守られるなんて…おかしなことだな…」

「お前は、元の仲間のところに帰ることだって出来るんだぞ?」

「…そうか、すまなかった。お前も立派なギルド・べオウルフの一員だったな」

「それでは、行くとするか。仲間が私達を待ってる…」

(勝ち目のない戦いだ…私の為に死んでいった仲間は、愚かなことと怒るだろう。
だが、私は行かねばならない。致命傷とはいかなくとも、奴に一矢報いねば…!)
(そして後は、その後は後続のギルド達が…
あの時のギルドが討ち取ってくれると、私は信じる)



「クロガ…ネ…、これを…この地図を、誰かに届けるんだ…」

「お前にしか…出来な…さぁ、急げ…ッ!!」

(すまない…クロガネ…みんな…今、私も…)



 その後、キメラに打ち勝ったギルドによって、聖騎士の捜索がなされたが、
その遺体や遺品と思しきものが発見されることは、ついぞなかった。