「う〜〜ばか ばかっ」
今、胸のモヤモヤを振り払う為に夢の中を全力疾走している私は
エバーガーデンで働くごく一般的なメイドさん
強いて違うところをあげるとすれば実は暁光の魔女ってことかナー
名前はルーシャ
そんなわけで無意識のうちに692の夢の中と繋がってしまったのだ
ふと見ると露店があって、そこにはたくさんの素敵なほうきが売られていた

「うわっ いいほうき…」
        
ハッ

ついそんなことを口走って顔を赤くしていると
突然うしろから声をかけられたのだ・・・!

「か 買ってやろうか」

そういえばこの露店は
夕方にこの人に連れて行ってもらったところだった
いいほうきに弱い私は誘われるまま
ホイホイと彼について行っちゃったのだ

彼――
ちょっとFF2好きっぽい2ちゃんねらーで
692と名乗った

味方アタックもやりなれてるらしく
露店の真ん前で私はぶん殴られてしまった

「よかったのかホイホイついてきて
 俺は一度でいいからルーシャを本気でぶん殴りたかったんだぜ」
「こんなこと初めてだけど別にいいわよ
 私・・・あんたみたいな人嫌いだから」
そう言うと、私は692の頬を引っ叩いた
「うれしいことやってくれるじゃないの
 それじゃあとことん殴らせてもらうからな」
その後しばらく殴りと回復の繰り返しでいくつかお互いのLvが上がった
私はというと、いつのまにかほうきの事が忘れ去られていることに
身をふるわせてもだえていた

そんなことを思い出していると、予期せぬでき事が・・
「さ さっきはごめん」
「べっ 別にいいって言ったでしょ?Lvも上がったことだ・・・し」
「ち ちがう・・・ あの時 ホントにルーシャにほうきをプレゼントしたかったんだ
 こんな夢を見たのもそのためで・・・」

そうか・・・・

「いいこと思いついた
 あんた ここに売られてるほうき全部私にちょうだい」
「え―っ!? 全部ですかァ?」
「男は度胸! 何でもためしてみるものよ
 だいいち ここは夢の中なんだからお金の心配なんかいらないでしょ」
「ほら 遠慮しないで奮発しなさいよ」