http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/1304/10/news133.html

 Windows Phoneの次期バージョンの名前を「Windows Phone 8」と公表した2012年6月の「Windows Phone Summit」で、
Windows Phone 7.5からWindows 8へのアップグレードができないことも明らかになった。Microsoftは、既存ユーザー向
けのアップグレードパスとして「Windows Phone 7.8」という代替案を用意した。

 2012年6月時点でNokiaの最上位モデルだった「Lumia 900」は、2012年4月に米国で発売されたばかりだったが、発売
後わずが2カ月でメジャーバージョンアップの道が絶たれたことに、既存のWindsows 7.5ユーザーは大きな衝撃を受けた。

 Windows Phoneを積極的に採用しているNokiaを支援したいMicrosoftにとって、これは苦渋の決断だったと思われる。た
だ、Windows Phone 7.5導入モデルは販売台数が少なく、アップグレードパスを用意するコストに見合わないことが以前か
ら指摘されてきた。さらにWindows Phone 8ではOSカーネルを刷新するなど、アーキテクチャを大きく変更している。こう
いった背景を考慮すれば、Microsoftの決断はやむを得ないと考える業界関係者は多い。

 だが、Windows Phoneの可能性を信じて先行投資をしてきたユーザーにとって、MicrosoftがWindows 7.5をWindows 8に
アップデートさせないのは、簡単に納得できないだろう。

 Windows 8発売の3日後となる2012年10月29日、Windows Phone 8も正式の発表を経て販売を開始した。しかし、既存の
Windows Phoneユーザーが利用できるアップデートバージョンのWindows Phone 7.8に関してその時点で明らかになった
のは、「Windows Phone 8の新機能の“一部”を提供する」という情報のみだった。後日、Windows Phone 7.8は2013年の早
い時期にリリースする予定であることを発表し、実際、2013年1月末より提供を開始した。Windows Phone 8に遅れること約
3カ月でのリリースとなった。

 こうして既存デバイスへの配布を始めたWindows Phone 7.8だが、その新機能は少ない。主な新機能は「ライブタイルの
アップデート」「テーマカラーの追加」「Bing壁紙」「パスワードロックにおける事故防止」の4点だ。ほかにもデバイスベンダー
が独自に開発したファームウェアアップデートで新機能を追加したモデルもあるが、