哺乳類のメスは全て発情し、そうなると積極的にオスを誘う。
例えば野生のチンパンジーのメスはオスに近づいて行ってお尻を鼻先につきつけ、立たせて交尾する。
飼育されたチンパンジーのある観察では、交尾は85%がメスから仕掛けたものであった。
こうした動物の交尾を見ていると、誘惑するのは男で、女ははにかんでおずおず受け入れるものだという西欧人の信念が奇妙なものなのだ。

チンパンジーは乱婚で、優位のオスに交尾の機会が多いが、野生では下位のチンパンジーが「かけおち」することが観察されている。
草陰に隠れていた気の弱いオスのところに、いつのまにか一頭の発情中のメスが寄り添っている。
そして、一日、長い時は一週間以上も群れの中心から離れて遊動範囲の周縁へと「かけおち」する。

チンパンジーが乱婚で、メスが多くのオスと交尾するのは、子の父親が誰かわからなくするため。
もし「この子はおれの子じゃない」とわかってしまうと、そのオスは子を殺してしまうかもしれません。
つまり自分の子を守るためにあえて淫らになっているんです。

チンパンジーの社会は、リーダーを頂点にして、厳しい序列がある。
序列の高いオスは、メスの獲得をはじめ、生きていくうえで有利な様々の特典がある。
だからオスたちは、自分の序列を高めるために必死の努力をする。リーダーになることは、オスにとって究極の目的なのだ。

チンパンジーの「人権」を求める訴え、すべて却下される
https://srad.jp/story/13/12/13/2145241/