残業上限、5年後見直し=「月100時間」交渉大詰め―経団連・連合

政府が導入を検討している残業時間の上限規制をめぐり、経団連と連合が導入から5年後に見直しを行う規定を設ける方向で調整していることが9日、分かった。
繁忙期に例外的に認める月間上限については、同日の事務レベルの折衝でも経団連が「月100時間」、連合が「月100時間未満」をそれぞれ主張して対立が解けなかった。
両者は来週の合意を目指し、大詰めの交渉を続ける。
5年後の見直し規定は、上限時間の将来の引き下げを目指す連合が強く要求。
経団連も「実態に即した見直しは検討する」(関係者)との立場から受け入れた。
残業時間の規制では、年間上限を計720時間(月平均60時間)とすることで労使が既に合意し、繁忙期の月間上限が焦点となっている。
経団連は、過労死の労災認定基準に抵触する月100時間超の残業を「認めるべきではない」(榊原定征会長)としながらも、
「実態を離れた急激な規制は企業の国際競争力を毀損(きそん)する」(同)として、月100時間までの残業を容認するよう強く求めている。

これに対し連合は当初、月100時間を上限とすることに「到底あり得ない」(神津里季生会長)と猛烈に反対。
しかし、事実上青天井の残業に「罰則付きの上限規制を入れる意義は大きい」(連合関係者)と判断し、「月100時間未満」まで歩み寄った。