韓国には「トンスル」という、人のウンコで作った酒があるらしい。

古くは薬用酒として飲まれていたらしいが、その実態は定かじゃない。そこでVICEは、トンスルの製造方法を知っているという漢医学師、リー・チャン・スー医師の下を訪ねた。願わくばその製造過程を映像に収め、仕上がったウンコ酒を実際に飲んでみようという魂胆だ。

スー医師によれば、トンスルが効くのは切り傷などから発生した感染症や胃の痛みなど。懲罰や農作業で負ったキズに効く唯一の治療薬として、農民たちが愛用していたという。

製造方法といっても、材料にウンコが含まれることを除けば、普通の酒とさほど変わらない。初めにウンコと水と混ぜた、いわゆるウンコ水≠適量用意。そこに米と酵母を混ぜ、ツボに入れて醸造する。
米の分量はグルテン無しを70%、グルテン入りを30%。グルテン無しはタンパク質を多く含むため発酵を促進し、グルテン入りは炎症・痛みを和らげ、味を良くする効果がある。

醸造には30〜37℃の環境で1週間かける。発酵作用によっては、体に良いバクテリアが生まれるらしい。またウンコは4〜7歳の子どものものを使用する。なかでも6、7歳のものはニオイがなく、虫下しの効果もある。

韓国において、ウンコを用いた治療は珍しくない。史料によれば、アルコール依存症にはコウモリの糞を用いた治療薬が、そして胃の病気には鳥の糞を使った治療薬が記載されている。またスウォン市にあるトイレとウンコを専門に扱う博物館では、こんな情報も入手できた。

「子どものウンコは金色で、それは金自体を表していた。古来、王室では健康確認のため、召使いが王のウンコを日々味見していた」??。どこから突っ込むべきか悩んでしまうほど、韓国史にはウンコが根深く関わっているようだ。