昔、常連客に顔を覚えられちゃって、常連婆さんから「手作りおにぎり」を食えって勧められるようになった。
「ありがとうございます。でも腹減ってないから結構ですよ」と、やんわり断ると悲しそうな顔して見つめてくるので、仕方なく貰い清水の舞台から飛び降りるつもりでラップに巻かれたおにぎりを食べた。
いつしか仲良くなり家まで招待してくれるようになり家族の一員みたいな関係になった。
自分の婆さんが死んだ時は涙が出なかったのに常連婆さんの葬式では涙か止まらなかった。