2 背景

 1980年代初めのアメリカでは、
インフレーションの抑制を目的にした
厳しい金融引締めが行われていた。
金利は2桁に達し、世界中の資金がアメリカへ集中した。
結果、ドル相場は高めに推移することになり、
輸出減少と輸入拡大をもたらした。
高金利による民間投資抑制と重なり
需給バランスが改善、インフレからの脱出に成功した。
結果的に、莫大な貿易赤字が計上されることとなった。

 その後、インフレ沈静化に伴い、金融緩和が進行。
景気回復で貿易赤字増大に拍車がかかった。
金利低下により貿易赤字の国アメリカのドルへの魅力が薄れるに伴い、
ドル相場は次第に不安定化した。
1970年代末期のようなドル危機の再発を恐れた先進国により
協調的ドル安の実施を図るため、このプラザ合意が成された。