>>424

 当時の事情を補足しておくと、USTRがTRONを「不公正貿易慣行」としたのは誤解だった。
TRON協議会には、IBMなど外資系企業も入っていたからである。しかしUSTRが要求したのは、
「学校用のパソコンに特定の規格を強制するのはおかしい」ということで、これは実は当時の
文部省の主張と同じだった。「口先標準」にすぎないBTRONを全国の学校に配備することなど、
できっこなかったのだから、米国の脅しは、いやいや参加していたメーカーが手を引く絶好の
口実だったのである。結果的には、TRONは制裁対象にはならなかったのに、あっという間に
消えてなくなった。