麻生太郎事務所 講演録
http://www.aso-taro.jp/kouen/index1.html

そういうところからいくと、小泉総理という人が
少なくとも冷戦が終わった今の時代に、アメリカという国といかに付き合うかが、
これからの日本にとって最大の国家的な課題だと思っている、私はそう思います。
よく例に引くんですけれども、江戸270年の間、やはり徳川家に刃向かって
成功したやつはいないんです。島原の乱とか大塩平八郎の乱とか、
いろいろありましたけれども、それは今のアルカイダみたいな話ですよ。
ちょこちょこ散発的にはあったけれども、結果的には270年間徳川家が押さえたわけです。
今はアメリカ幕府という時代なんだと思うんです。これに勝てるやつはいない、
ロシアだって実際勝てないんだから、正面を向いてけんかするやつはいないわけです。

それでどういうことになるかというと、アメリカ とどう付き合うかを考えなければいけない。
私は今、これが日本の外交にとって最大の問題だと思います。私たちが審判になれる
可能性はほぼない。審判になり得る可能性があるのはイギリスくらいなものでしょう。
イギリスやオーストラリアというアング ロサクソンは審判になれるかもしれません。
徳川時代でいえば譜代大名になるというのもあるけれども、
日本は60年くらい前まで戦争をしていたんだから、譜代になんかなるはずはありません。
所詮外様大名で終わりです。

しかし江戸時代、外様で栄えた藩もある。加賀前 田藩百万石や藤堂藩三十二万石は
皆外様だったけれ ども、全部徳川家とうまいことをやるわけです。
う まいことをやって、少なくとも前田家、藤堂家はそれぞれちゃんと名前を残してこれた。
やはり日本は外様のええところを狙わないといけません。このやり方が最も難しいところです。
おいしいことばかり、 いいことばかり言ってすり寄ったらやられてしまう から、
やはりこちらはきちんと持つべきものを持っ て、日本とはちゃんと仲良くしないといけない、
日本とはそこそこうまいことをやっておかないといけないと思わせる手口がなければいけません
これがこの日本という国に課せられたこれからの外交とし ては、最大の課題だと思います。