僕は長らく携帯電話のコンテンツプロバイダをやっていましたので、
特にユーザー様から操作方法について質問されたときに、言葉で操作方法を伝えるのは非常に難しく、
苦労の多いところです。なにしろ全機種で操作方法が違うわけですから、サポートする人間は
全ての携帯電話に関する知識が必要になります。しかしいまや携帯電話の機種は
アプリ機能が使える機種に限ったとしても、1000機種近くあるのです。
つまり、1000通りのインターフェースがあるということです。
1000通りのテストと1000通りのガイドラインがあるということでもあります。
 
Macintoshの最初のコンセプトを考えたジェフ・ラスキンは自著で「使い方がわからない機能は、
その人に取って存在していない機能である」と語っていますが、全くその通りだと思います。
こうしてどんどん「存在しない機能」が増えて行くことになります。
 
存在しない機能向けのコンテンツを作っても、誰も使いこなすことが出来ないので、
それは存在しないコンテンツとなってしまいます。それが間接的にコンテンツプロバイダの
発展を阻害する可能性を、キャリアはもっと深刻に受け止めて欲しいと思います。