組閣は、総理官邸から呼び出しがかかってくるのです。
電話をいただいた時にもまだ何大臣だかさっぱり分からないまま総理官邸に入っていきましたら、
知っているSPさんがいました。経企庁長官をしている時のSPだったので、
「おう、久しぶりだね。何しているの?」
と聞いたら、
「大臣警護をいたしております」
という。
「ああ、そう」
と言うと、またそのSPがついてくる。
「どうしたの?」
と聞いたら、
「担当になりました」
と言うんです。
「ああ、そう。何大臣?」
と聞くと、
「総務大臣担当です」。

私が総務大臣であるということは、実は警護官から聞かされたんです。
嘘だろうと思って、にわかには信じ難かったんですが、それからエレベーターに乗って、
総理の執務室に行くまでの間、1分くらい、総務省って何をやるところだったかなと思っていました。
あまりこれまで縁がなかったものですから、総務省などというところには
ほとんど行ったこともありませんし、これはえらいことになったなと思いつつ
総理の執務室に入ったわけです。