「リーグ3連覇していた広島を抑えて優勝した巨人が出場したのにこれですから。
改めて巨人人気の凋落が浮き彫りになったし、
日本シリーズでさえ我々にとっては商売がしにくくなった」

 10年の中日対ロッテの日本シリーズではスポンサーがつかず、
1、2、5戦が全国ネットで中継されない事態に。
これを教訓にNPB(日本野球機構)は冠スポンサーを募り、
何とか体制を維持し続けてきた。

 だが、人気球団の阪神でさえ、
在阪の各局は中継に二の足を踏むようになっている。
事実、CSファーストステージの勝負が決まる第2、3戦は、関西ローカルでの中継すらなかった。

中継を模索していた関西テレビ(フジ系)の関係者が内情を明かす。

「第3戦があった10月7日は人気番組『ネプリーグ』に、月9ドラマ『シャーロック』に出演するディーン・フジオカ、岩田剛典、佐々木蔵之介らイケメンがPRを兼ねて勢揃い。
月9は前クールの視聴率がよかったこともあり、番宣を最優先させて中継を見送った」

 別の在阪局スタッフも、

「低視聴率でスポンサーがつかず、阪神の応援番組も消えている。
そもそも莫大な放映権料がかかるスポーツ中継自体にどのテレビ局も消極的になり、
スポーツ局員も営業や制作に異動させられ、外部スタッフに託すことが増えている」

中日も同様の傾向に。

「ドラゴンズ戦の中継は今でも中日傘下の民放テレビ4局しか放送できませんが、完全に押し付け合い状態です。
ひどいときは編成判断で、1時間半しか中継できない試合もありました」
(東海地区のテレビ局員)

 別の民放関係者はプロ野球の将来をこう危惧する。

「今後はDAZNなど有料中継で見る傾向がさらに進み、一部の熱心なファンのみを対象としたコンテンツになる。
結果、プロ野球に触れる機会も減り、人気はますます低迷するのでは」

 野球が娯楽の王様だった、昭和は遠くなりにけり。