球団を増やすことは、多くの野球関係者やファン、NPBも、理念としては「賛成」だと思います。
ただ、やり直しが利かない、リスクが高いので、ぶっちゃけ“怖い”んでしょうね。そりゃそうです。
では、16球団制を実現させるにはどうすればいいのか?12球団制維持・球団数縮小を唱える人がまず言うのが、

「現在でも赤字経営の球団が多いのに、16球団制などできるわけがない」
「赤字覚悟で球団経営に乗り出そうとする企業がいくつあるのか──。」

・・・ということである。

では、なぜ赤字経営になっているのだろう。
球団経営で多額の支出があるのは、言うまでもなく人件費である。
こんなことを書くと、

「やっぱり、選手の年俸が高すぎるのだ。もっと年俸を下げろ」

という声が聞こえて来そうだが、そうではない。年俸を下げたところでMLBへの人材流出が加速するだけだし、
現在のNPBの一軍選手年俸は妥当だと思える。一番の問題は、1球団が抱える保有人数にある。
現在、各球団の支配下登録選手は最大70名で、他にも育成枠選手がいるので球団によっては100名以上もの選手を抱えている。
出場試合登録選手(いわゆる一軍枠)は28名なので、半分以上は球団の儲けとはならない二軍・三軍選手なのだ。
これでは人件費がかかって当たり前である。
しかも、現在ではどの球団も若手選手用に立派な合宿所を構えているが、その維持費や固定資産税もバカにはならない。
もちろん二軍・三軍用の本拠地もある。これらを一つの球団が賄っているのだから、赤字になって当たり前だ。

・・・そこで、一軍と二軍・三軍を完全に切り離して、二軍・三軍は球団の下部組織として年棒に上限がある独立リーグに参加させるのだ。

そして二軍・三軍は「育成選手契約」という扱いをメインにする。要するに、球団経営を分けてしまうのである。
そうすれば、一軍(親球団)の所属選手は多くても40名程度で済む。
さらに、社会人野球との連携も図る。最近は不況のために社会人野球の企業チームは激減しているが、
独立リーグやNPBの二軍・三軍チームを都市対抗野球に参加させるのだ。
すると社会人野球も活性化するだろうし、二軍・三軍チームも一発勝負の厳しさを堪能できてレベルアップにつながる。