宮城県は10日、サッカーJリーグ2部(J2)ベガルタ仙台を運営する東北ハンドレッド(名川良隆社長)に対する運営補助金を、打ち切る方針を固めた。
本年度一般会計当初予算に計上した補助金1000万円の執行も停止する。
同社が資本金の約80%を取り崩して借金返済に充当する「無償減資」を行うため、県の出資金が大幅に減少することを受けた措置。
さらなる税金の支出は認められないと判断した。
東北ハンドレッドは10日の取締役会で、累積欠損金18億7460万円の解消を図るため、80.5%の無償減資を今月下旬の株主総会に提案することを承認した。
県の出資金は、4億6851万円減の1億1349万円に縮小してしまう。
県は「多額の税金が、チームの借金帳消しのために消えてしまう。追加の税金支出は、県民の理解を得られない」と補助金廃止の理由を説明。
県の危機的な財政運営を乗り切るため、歳出を絞り込む狙いもある。
県は東北ハンドレッドに対し、1999―2007年度の9年間、運営補助金計3億7500万円を支出してきた。
補助とは別に5億8200万円を出資。資本金23億2850万円の約25%を占め、筆頭株主となっている。
県のプロスポーツチームに対する補助金支出は、これですべて廃止される。
プロ野球東北楽天ゴールデンイーグルスへの補助金は06年度で終わっている。
県に次ぐ株主の仙台市は本年度、東北ハンドレッドに6000万円を補助する。減資後の対応は決まっていない