広島市民球場の建て替え支援 「樽募金」ピンチ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050601-00000006-khk-toh
 フルキャストスタジアム宮城(仙台市宮城野区)で行われる
東北楽天ゴールデンイーグルス―広島戦(10―12日)に合わせ、
東北大広島県人会が企画した広島市民球場建て替え支援の「樽(たる)募金」が暗礁に乗り上げている。
都市公園条例の規制を受ける球場では、宮城県が公的団体以外の募金活動を認めないためだ。
学生たちは「リーグの壁を破ったセ・パ交流戦の舞台で、仙台市民に協力の輪を広げたい」と訴えている。

 樽募金は昨年暮れ、広島県内のマスコミ各社が呼び掛けて始まった。
市民球場をはじめ県内各地に樽が置かれ、既に6000万円余が集まった。

 郷土の盛り上がりを知った県人会のメンバーは5月上旬、
「宮城球場が生まれ変わったように、市民球場を新しくする取り組みに一役買いたい」と計画した。

 フルスタ宮城の管理を委託されている楽天野球団に打診すると、
「球団には募金を認める権限はない」と、つれない返事。
球場を所有する県の回答は不許可だった。

 球場がある宮城野原公園総合運動場は県の都市公園条例で定める公園で、
募金の実施には知事の許可が必要。
県は「行政など公的団体の募金活動は認められるが、
学生グループは公的団体とは言えない」(県教委スポーツ健康課)と判断したという。

 企画を知った仙台市内の酒造会社は、樽の提供を申し出てくれた。
学生約30人でつくる県人会は試合当日、公園敷地外の球場周辺で活動することも検討している。
 会長の山本祐司さん(22)=文学部4年=は「両リーグのファンが交流する球場で募金してこそ、
意味がある。浅野史郎知事に直訴することを含め、最後まで努力したい」と話している。

(河北新報) - 6月1日7時5分更新