宇都宮市東浦町の民家周辺などで11月下旬から12月中旬にかけて猫9匹が相次いで不審死していたことが15日、
分かった。いずれも外傷はなく、うち数匹の死骸のそばには吐しゃ物があった。毒物を食べた可能性もあるとみて、
宇都宮市保健所は専門家に死骸の検案を依頼し、栃木県警が動物愛護法違反の疑いで捜査を始めた。

市保健所などによると、同町に住む女性が11月下旬ごろから自宅周辺で猫が死んでいるのを相次いで発見。
12月7日朝には門柱付近で1匹が死んでいたほか、もう1匹は玄関前で苦しんで暴れており、間もなく死んだという。

13日夕方には女性宅から1キロほど離れた保育園の近くで1匹が死んでいるのを通りかかった近所の住人が発見。
14日にも女性宅付近で1匹が死んでいた。

市保健所が7日に女性から通報を受けた後、調べたが、目立った外傷はなく死因は不明。毒物などの痕跡を調べるため、
日本獣医生命科学大に3匹の検体を送った。市保健所の担当者は「同じような場所で短期間でこれほど猫が死ぬ事例は
聞いたことがない」と説明する。

死んでいた猫の多くは女性が餌付けしていた野良猫とみられ、11月から12月にかけて「猫がたくさんいて
糞(ふん)尿で困っている」などの苦情が市保健所に寄せられていたという。

こうした猫の不審死では、自動車の不凍液などに使われるエチレングリコールが原因のケースが少なくない。
12月に猫3匹が不審死した仙台市の事例では、うち1匹がエチレングリコール中毒の可能性が高いとみられている。
https://www.sankei.com/article/20221215-YZIBF5WEIFN2FLRIUZ3XRWZOEU/