<元受刑者の傭兵が前線で見たのは、バタバタと人が死んでいく戦場と、怖気づいた仲間が銃殺される光景だった>

戦場で怖気づいたことを理由に、仲間の兵士2人が処刑されるのを見た――ウクライナで身柄を拘束されたロシア兵が、こう証言した。

このインタビューは、ウクライナの複数の「テレグラム」チャンネル上で出回ったもの。
ロシアの独立系メディア「Nestka」は、この兵士がロシア南西部サマラ市出身の元受刑者ウラジスラフ・イスマイロフ(26)だと特定した。

イスマイロフは、9月27日に悪名高いロシアの傭兵組織「ワグネル・グループ」の創設者であるエフゲニー・プリゴジンが自分のいた刑務所にやって来たと証言。
その際に、傭兵として雇われたと述べた。

プリゴジンは受刑者たちに、6カ月間の戦闘参加と引き換えに恩赦を与えるという条件を提示。
彼と同じ刑務所にいた約300人が、ウクライナでの戦闘に参加することに同意したという。

Nestkaは、イスマイロフの祖母と恋人が、動画の人物がイスマイロフであることと、彼がこれまでに何度か刑務所に収監されていることを確認したと報じた。

イスマイロフはインタビューに応じた理由について、「偽りのない真実」を語ろうと決心したからだと述べ、前線での体験について証言。
彼と仲間の兵士たちは、2週間の訓練を終えてウクライナに到着したが、そこで「全てが(聞いていた話と)違うことを知った」。

「死ぬ確率は低いと聞いていた。だが実際は高い確率で死んでいった。生き残れるのはごく一部で、約束の6カ月を生き延びるのはほとんど不可能に近く見えた」

前線で持ち場を放棄しようとしたロシア兵が「処刑」されるという報道について問われると、
イスマイロフは、同じ部隊の2人の兵士が、戦闘に怖気づいたために殺害されるのを見た、語った。

「最初の攻撃の時、私は2番目のグループにいた。私の前にいたチームの2人が出撃を渋った。
彼らは初めて戦争に参加して、迫撃砲に怯えていた。2人は基地で消された」とイスマイロフは述べた。「彼らは銃で撃たれ、自分で掘った墓穴に埋められた」

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2022/12/no2-1.php
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