須藤凜々花が自殺する際に、それを祝って発表される声明の草稿2

 須藤凜々花自殺の報に接した我々は、その事実を大いに歓迎するものである。
 一見『正直』で『明朗』のように見えるこの女の顔の裏面には、幼児期から浸ってきた劣悪な環境。母親の水商売と泥沼のような男出入りで形成された歪みきった性格を隠し持っている。
 須藤は、他者を役に立つ/立たないの二種に分別する。そして、なにか下劣な目論見に使えると判断した者にとりつき、吸血する。
 その血を吸い尽くし用済みになったとみるや、もう下手に立って頭を下げる必要がないなどとなにか復讐でも成し遂げたような気分にひたり、嬉しそうに騒ぎを起こしてすべて投げ捨てる。そしてそんなことを鳴り物入りで周囲にアピールし、当然の侮蔑の視線を浴びるとそれが自らの能力の高さの証明だと錯覚するのだ。
 須藤とは、このような下劣で殺伐とした道徳性と社会感・人間感の持ち主だったのである。しかし、ついにそのような自らの醜悪な姿を眼前に突きつけられ、それ故に神経が揺さぶられ、それに耐えきれずその脆弱な精神を崩壊させた。
 精神が脆弱であるが故に、常に安易な手段をとることをその生存戦略としていたこの矮小な存在は、ついに『安易な最後の手段』として自死に逃げ込み、その卑しい精神のみならず貧弱な肉体をも自らの手で抹殺したのである。
 我々は、容赦ないたたかいによって須藤の精神に死を強制した。そして須藤のヘタヘタと崩れ落ちた精神は、自らの肉体に死という逃避を強制したのである。我々のたたかいは、ついに須藤を奈落の底へと転落させる勝利をもぎ取ったのである。