>>742
むかし、あるところにステラという、たいそう貧しい少女がいた。
彼女の両親は亡くなってしまい、住むところも食べるものも着るものも無かった。
親切な人からもらったひとかけらのパンと彼女が着ている服だけがステラに残された唯一のものであった。
しかし、彼女はとても良い心の持ち主だった。
ステラが道を歩いていると、おなかを空かせた男に出会う。彼女はためらいもなく男にパンを渡し、また歩き出す。
今度は寒がっている少年に出会う。ステラは親切に着ているフードを差し出し、また歩き出す。
すると、また別の寒がっている少年に出会う。彼女は着ているワンピースを少年に与え、歩き出す。
そうしているとまた別の少年が現れ、ステラに唯一残された下着を欲しがる。ステラは下着もその少年にあげてしまう。
やがて、着るものも食べるものも失ってしまった彼女がその場にたっていると、星が彼女のもとに降ってくる。
彼女の行いを神がほめたためだった。降ってきた星は銀貨となり、ステラは裕福に暮らしたのだった。