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 マックイーン氏は今月のズーム経由のインタビューで、「日本はおそらく、隠れた機会のようなものだった」と指摘。「多くの銘柄がコロナ禍安値に戻ったのは、市場の悲観的な見方の中での行き過ぎのように見えた」後、「過去1年間でバリュー重視の株式戦略が大きくプラスになった市場の一つだ」と述べた。同氏のファンドのトータルリターンに最も貢献した銘柄は、マツキヨココカラ&カンパニー、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)、住友商事、アシックス、日立製作所、日本製鉄、花王、日本酸素ホールディングス、オリンパス、太平洋セメント、東京エレクトロンなどだ。

 人口減少や慣行にとらわれがちに見える企業、移民や労働参加の拡大に対する抵抗などで日本は絶望的な機能不全に陥っているとの認識は、ノーベル経済学賞受賞者ポール・クルーグマン氏やコロンビア大学歴史学教授のアダム・トゥーズ氏など、最も影響力のある識者の一部によってますます否定されるようになっている。
 クルーグマン氏は7月25日付のニューヨーク・タイムズ紙のコラムで、「人口動態の調整を加えると、日本は著しい成長を達成した」と指摘。「日本は訓戒的なストーリーというよりも、むしろロールモデルのようなものだ。繁栄と社会的安定を保ちながら、困難な人口動態の中をやりくりする方法の手本だ」と評価した。

 22年7月8日に銃撃され死亡した故安倍晋三元首相の政権時代、「日本の女性はかつてないほど労働市場に参入した」とトゥーズ教授はサブスタックの22年7月の「チャートブック」ブログで書き、「日本女性の有給雇用の割合が米国よりかなり多いという事実は驚くべき歴史的転換だ」と指摘した。

 「アベノミクス」の着想の多くは、東京を拠点とするMPower Partnersの創業ゼネラルパートナーであるキャシー松井氏から得たものだ。松井氏は数回にわたってインスティチューショナル・インベスター誌のアナリストランキングで日本株式投資戦略部門1位に選出され、ゴールドマン・サックス・ジャパンで初の女性パートナーとなった。1999年に発表したリポート「ウーマノミクス」で、女性の労働参加を増やすことが日本のGDPの大幅な押し上げにつながると訴えた。


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