ゴールドマンサックス「今後は1ドル=60円の超円高相場になります」

Bloomberg   2019年2月28日

年初来の世界的な株価の回復と少なくとも数四半期でリセッション(景気後退)懸念が後退しそうな
情勢のため、次の危機への備えは今のところ多くの市場関係者にとって最大の関心事ではない。
しかしゴールドマン・サックス・グループのストラテジスト、ベルンハルト・ジメルカ氏は対策を立てている。

欧州金利市場の戦略責任者を務める同氏は27日にシドニーでの会議で、次回の不況を考えると
「マクロ的には、主に圧力がかかる相場はドル・円だと強く思う」と発言。「米金融当局が金利をゼロまで
下げたらドル・円がどこまで行くと思うかと皆に尋ねている」と語った。米当局が異例の金融緩和を
採用した前回に起きた展開を考慮すれば、次回は円が過去最高値を更新するとみているという。

2008年の「リーマン・ショック」後、米当局が短期金利を引き下げ量的緩和(QE)を導入して長期金利を
押し下げる中で、円は大きく上昇。11年10月には戦後最高値となる1ドル=75円35銭を付けた。

ジメルカ氏は、次の危機時には「1ドル=60円まで行く」と予想。
「ドルに対して日本の金融システムに構築されている巨大なレバレッジがある」と述べた。