2008年には首が回らなくなり、消費者金融に駆け込もうかとも思ったそうだ。
そんなときに手を差し伸べたのが「妹」だ。相談したところ「翌日に300万円を振り込んでくれて助かった」とした。
ピーク時に3億円あった時価総額は1億3000万円まで減り、「もう信用取引はやらない」と誓ったが、
2008年3月中旬に株価が反転したことをきっかけに、また信用取引を始めてしまった桐谷氏。
一旦は2000万円ほど取り戻したそうだが、6月ごろ株価の動きが鈍くなり、9月15日にリーマン・ブラザーズが破たんした。
「10月には信用取引でのマイナスが5000万円となり、もう目の前が真っ暗になった」と“人生最大の失敗”を迎えることに。
だが、ここでも桐谷氏は家族に救われる。高齢の父親に会うため、広島県竹原市の実家に帰った際に、
父親に「株をやったのが人生最大の失敗だった」と懺悔した。それに対して父親は「お前の失敗は株で失敗したことじゃない。
結婚せんかったことだ」と返して、お金の工面を約束したという。
桐谷氏は「父親が年金などで積立てて貯めていた三千数百万円を損失にあてて、生き延びることができた」と父親に感謝し、「私を救ってくれたのは優待投資というより、父親のおかげですね」としみじみ語っていた。