あの人は今  峰竜太さん(45歳)

2031年、上瀧和則の息子・上瀧絢也の賞金王制覇。 それをテレビで見つめる男がいた。
デビュー後間もなくし、将来を期待されついには賞金王を獲得した峰竜太さん。
「あの頃は若かったですね(笑)」若き日を回想する峰竜太は、どこか寂しげだ。
「未だに当時の夢を見ることがあるんですよ。住之江競艇場で黄金のヘルメットを被って沢山のファンに祝福を受ける夢を」
峰さんは36歳の時悪質な予想屋から金銭を受理。その事がきっかけで調子を崩し引退を余儀なくされた
今はラーメン屋を営む傍ら、Apexと言うゲームの学校の講師を勤めている。
暖簾の屋号の文字はパチンコライターゆう坊さんによるものだ。「いらっしゃい」。唐津駅から歩いて3分。
「ラーメン アロハ」のえび茶色の暖簾をくぐって店内に入ると白いタオルを頭に巻いた峰竜太さんの元気な声に迎えられた。
「去年の4月にオープンしました。暖簾の『アロハ』という文字はゆう坊さんに左手で書いていただいたものだし、開店に合わせてスポーツ紙やテレビでも取り上げてもらったんです。
おかげで、全国の競艇ファンが足を運んでくださるのはうれしかったですね」
峰さんは本当に嬉しそうに、僕たちに語ってくれた。
とはいえ、その分、プレッシャーも大きかったという。
ラーメンは隣の福岡が本場。食べ歩きに出かける時代でしょ。
ボクが修業した三田の老舗『二郎』のものは味のブレが特徴だから、福岡にある一風堂のようなラーメンが普通だと信じ込んでる唐津市民にはモノ足りないようなんです。それで怒られちゃったこともあるけどそれも修業のうち。我慢、我慢です」
かつてのライバルで現在もトップレーサーとして活躍中の毒島選手について尋ねると…
「知ってます?俺は賞金王で優勝してるんですよ?」と、おどけ
「俺もあの時競艇だけに打ち込んでおけば…歯がゆいですけど」
「今はもう競艇に未練はありません。今度はこのラーメン屋で賞金王になれるよう、がんばるだけです!」

(写真)ラーメンを手にアロハポーズをする峰さん