日本モーターボート選手会の上瀧和則会長(51歳)が、
選手会長をそのまま務めながら現役に復帰する。

 上瀧会長は選手会副会長就任のため、2011年3月の地元唐津を
最後に現役を退き、翌2012年6月に会長に就任。4期、8年間にもわたって
会長職を務めあげてきた。今年の役員改選では非常勤の会長、すなわち現役復帰を
宣言して会長に立候補。対立候補が不在だったので無投票で会長続投が決まり、
宣言通りに5月11日の下関一般戦からの現役復帰が決まった。

 上瀧会長は2014年8月の唐津お盆レースと2015年大みそかから
2016年にかけての大村正月レースと、2節ほど実戦に復帰したことがある。
この2節はあくまでもピンポイントの復帰だったが、今回は違う。
下関の後は6月1日からの丸亀一般戦にもすでにあっせんが入っており、
半年間で8節ほど走る予定。史上初となる「走る選手会長」の誕生というわけだ。

 上瀧会長は以前から、「他のプロスポーツのように、この業界も
選手会長は現役選手がやるべき」という考えを持っていた。これまで選手会長を
務めてきた野中和夫、黒明良光、福永達夫各氏らは事実上の現役引退と
同時に会長就任という流れ。そういう意味ではまだ現役バリバリだった
上瀧の会長就任は異例中の異例だったが、上瀧会長がついに現役復帰に
踏み切ったのは、今後も現役バリバリの選手がレースから離れることなく
会長に就任できる流れを作るためでもある。

 上瀧会長はSG戦4勝、G1戦17勝という輝かしい実績を残している。
2011年3月に実戦を離れた最後の期にも勝率7.79、優出4回、優勝3回と
文句なしの成績だった。出走回数の絡みもあり、いきなりのA1級復帰は
難しいかもしれないが、いずれSG戦やG1戦に戻ってくるかもしれない。
さらに、126期で5月13日の唐津でデビューする息子の絢也(けんや)との親子対決も楽しみだ。