0297大学への名無しさん
2018/09/13(木) 11:46:53.47ID:f8UN0W0S0(一)当主を中心にして、小作人や手伝い人で賑わう戦前の農家の風景が、
複数の段差によって役割の高低が仕切られた家の構造から現在でも想像できるということ。72
(二)山羊小母にとって、祖先との思い出がよみがえり、祖霊に守られているように感じる家の中は、
さびしくはなく、怖くもなく、むしろ安心できる場所だということ。74
(三)筆者の父は、祖先から命を継ぎ、物語や逸話を語り伝えて続く、長く安らかな農村での人間的時間から外れ、
都市で分断された個人の生を過ごして死んだということ。75
(四)戦後の変遷を経た都市で個人の生を焦って生きる「私」は、祖先から連綿と生を伝承する昔の
農村の安らかな時間を実感しにくく、現在から隔絶したものに感じられるから。78