【不評な参考書とその理由】
「人気がある=良書」とは限りません。
不評な参考書を使用する際には以下の問題点について注意が必要です。

「富井の古典文法をはじめからていねいに」(東進ブックス)
誤りが多い。
識別など入試頻出の重要なポイントで多数の誤りが指摘されている。
「はじめからていねいに」にもかかわらず説明不足であり、初学者には混乱を招く可能性が少なからずある。

「古文単語ゴロゴ」(スタディカンパニー)(旧「ゴロで覚える古文単語ゴロ565」(アルス工房))
ゴロ合わせで1単語1語義を覚えさせるだけなので、
試験で違う意味を問われると対応できない。
例文・解説がついているのは168語のみ。
あとはゴロの羅列にすぎず、その出来も良くないものが少なくない。
また、単語に付けられた訳が適切ではないものも少なくない。

「古文単語FORMULA 600」(東進ブックス)
1語あたりの語義が極端に少ない(特に多義語)。
単語とその意味以外、語源の解説やイラスト等はほとんど無いため、富井の監修ではあるが、富井自身の創意工夫はほとんど感じられない。
(とはいえ名義を貸している以上、その責任を免れるものではない。)
見出し語600語というが、派生語なども1語としてカウントしているので、掲載単語数は他書とくらべてそんなに多いわけではない。

「元井太郎の古文読解が面白いほどできる本」(中経出版)
全訳が不要だということを提唱しているが、解説も論理的に飛躍していて腑に落ちないものが多い。
受験にだけ通用する特殊なテクニックが存在すると受験生に思わせている点では危険。
逐語訳が出来る人でないと、その習得が極めて難しいという声もある。