ソレはおなかの中で密かに作られ胴体のローエンドから排出されるものであり、特に肉やイモ、ニンニクなどを食べた次の日のソレはまさに悪魔そのもので、ときには他人の嗅覚と精神を粉々に破壊する力を持っていると言っても過言では無いが、しかし極稀にソレを鼻腔の奥深く吸い込みそのニオイを認識した暁にはテンションが上がってしまうという珍妙な人種が存在するだけではなく、その悪魔の生みの親に限っては良い香りだと感じてしまう不思議な現象が起こり得るが、なんにせよ上司や先輩など目上の人間の前では決してその悪魔を生み落してはいけないし鳴らしてもいけない上、もちろん「どうせ気づかないだろうしスカしてごまかしてしまおう…!」などという考えはもっての他であるとともに、誤って自分の意思と裏腹に思わず生まれてしまい、その産声が響いてしまった場合、隣の人間をチラッと見ることで汚名を被ることを回避出来る可能性が僅かながらあるにせよ、悪意を持って生み出した者にはことわざの通り「目には目を」の言葉の元にその悪魔の力をもって下されるであろう、その裁き鉄槌の名は握り…