10代のときに手にした大金の話。

親がアル中で学費も出さないので高校はバイトしながら通学していた。
その日は親と揉めて殴られてまあまあ目の周り腫れててこりゃ学校行けねーなぁと思った
さっさと先生に相談すりゃいいのに当時は家庭の事を打ち明けるのが恥ずかしかった、外では普通を装いたかった、バレてたけど

田舎なので時間帯と制服と顔の痣で目立つ、適当な服買って病院行くかとイオン()に行く前に金下ろすために銀行に寄った
ちょうどトイレ行きたかったので銀行のトイレに寄った
そしたら慌てた様子でトイレから出てきたばあちゃんと目があった、そして私の顔を見てギョッとした
「あなた…」と言うので目を伏せた、惨めな気持ちでいっぱいだったしどうせ説教だろ?って思った
高齢者ってこっちが親から暴力受けてても「親を敬え!」って説教たれてくる。祖父母に助け求めたときそうだった

ばあちゃんは「二番目の個室に入りなさい」と言って去っていった
疑問に思いつつそこに入ったらタンクの上に紙袋があった、ばあちゃん忘れ物!と思って掴んだら付箋が落ちた
【私を疎む嫁にこのお金を渡したくないので見つけた方は黙って受け取って人生の助けにしてください。】と書いてあった

色々考えたが学校のかばんに突っ込んでトイレして銀行出た
そのお金は滞納していた学費に当てて高校卒業後に黙って遠方に就職した、一人暮らし費用はそれで賄った
保証人とかは色々察した担任にしてもらった、今もたまに連絡取ってる
あのときのおばあちゃんありがとう