昔小さな事務所に勤務していました。職場の先輩に当たる方の弟さんより、急な依頼の電話がありました。「自分の生まれたばかりの赤ちゃんの血液を健康な血液に全部入れ替えないと赤ちゃんは死んでしまう。同僚の皆さんの中でB型の血液を献血できないか?」
そこで、「ハイ、良いですよ」と応募いたしました。何にも取り柄は無いけれど、健康には問題なし、今までその様な献血依頼は何度も受けてきました。飲む打つ買うにご縁が無い20代できれいな血液には自信ありでした。

皆様は、「手術他でそんな急に血液を一般から集めるなんて聞いた事無い、うそだろう」とのご意見もあるでしょう。当時は売血が当たり前の時代でした。
駐日アメリカ大使のライシャワー氏が暴漢から刺されたが、その傷より輸血により感染したB型肝炎治療の方が何倍も大変だった時代です。

そこで、先輩と久留米の大学病院まで行きました。400ccでも600ccでも
ジャブジャブ出して、さっさと帰る算段でしたが、私は予備員でした。先に献血された方の血で入れ替え治療を済ませ、成功の検査結果が出てから帰れるのです。
失敗の場合は治療が再トライになり私が採血されるのです。
それまで待合室で待機ですが、その待ち時間の長いこと深夜の1時くらいに成功で帰宅できました。