暴力に限らず激情を放出するのはダメだと嫁に教えられたんだ。中2の時だ。遅いよな。
分からないことを嫁に吐露するたび、俺は人間の生き方をすることができるようになった。
その積み重ねで親が毒親で、自分が放置子だったと分かる。こうあってはならないことも。
嫁はただの恋人じゃない。下世話な意味じゃなく男にしてくれた。恋人でない時ですら助けてくれた。
本当にヒーローなのは俺じゃなくて嫁なんだ。
だけど今は嫁を頼れない。親はどちらもあてにならない。義弟にも反対された。
どこにも退路がない。それは嫁も同じだ。今、俺が弱みを見せたら嫁はどうなる。
嫁の支えが必要だ。嫁の前ではヒーローを演じるしかない。
嫁を妊娠させたのは俺だ。二人で望んでしたことなのに、覚悟が足りていなかった。
寝る前はプレッシャーで潰されそうになる。というか、ろくに寝れない。
それでも、つわりでメロンしか食えなくなった時より、嫁は格段に元気になった。笑顔に無理がなくなった。
また嫁に救われはじめた。最近はっきりそこにいると分かるようになった娘にもだ。
結婚前の日々と違って、出口が見えないわけではない。だからこれは修羅場なんかじゃない。
代わりにここで吐き出させてもらった。こんな情けないこと、現実では誰にも話せない。
これで最後にする。長文で長々と占有してすまない。励ましてくれてありがとう。