>>68続き

 東京都は、この件に関して「地下水を汲み上げて排水施設に送るための送水管の空気弁に付着物が挟まったことが原因」として、
「過去に同様のケースはなく、今後は再発防止に務める」との見解を示した。だが、この説明では仲卸業者の不安は少しも解消されない。

マグロの身にカビが付着したら……
湿気とカビは、より深刻な問題である。
「とにかく豊洲市場は湿気がひどいんです。地下水が水蒸気になって上がってくるのに、
建物が密閉型で窓ひとつない。温度を冷暖房で常に25度になるよう設定しているので、特に夏場は、ダクトを通じて室内にも水滴が生じる。
開店すれば、店内に冷凍庫やダンベといった冷蔵機器を入れ、冷凍食品を扱うわけだし、水も流す。益々、湿気が出るはずです。

開場前の今現在で、空調を24時間フル稼働にしても、湿度が70パーセント。高い時は90パーセントを超える。だから、ものすごくカビが出るんですよ。
カビは生ものに付着して繁殖する。一番、心配なのはマグロです。マグロの身にカビが付着したら、
3、4日後に発生する。豊洲で売る時は目に見えなくても、小売店に渡ってからカビが出ることも……」(仲卸業者・男性Bさん)