安倍首相が「地震対策やってる」アピールで自ら死者数を発表するも、人数を倍の大間違い! 災害を政治利用する醜悪|LITERA/リテラ
http://Lite-ra.com/2018/09/post-4236_2.html
2018.09.07

 いまだ安否がわからない人が多く、広範囲におよぶ停電の影響も心配される北海道地震。そんななか、今朝、新聞・通信社のネットニュースなどが、不可思議なタイトルを掲げて被害を伝えた。

〈死者16人、安否不明26人に 北海道地震、首相発表〉(朝日新聞デジタル)
〈北海道の地震による死者16人に…首相が発表〉(読売新聞)
〈北海道の地震 16人死亡 26人不明 安倍首相〉NHKニュース

 これは今朝おこなわれた関係閣僚会議で、安倍首相が「今回の地震によりこれまでに16人の方が亡くなられ、多数の重軽傷者、家屋倒壊や土砂崩れを確認しております」と述べたため、
こうしたタイトルになったようだが、それにしても首相が災害の死者数を公表し、それがタイトルになることは異例だ。

 というのも、通常、死者や負傷者の数は、警察庁の発表や、被災した地域の警察や消防本部、自治体などへの取材によって判明した数字を新聞社がまとめたものを公表する。
それが今回、安倍首相がどこも把握していない数字を公表したため、各メディアは「安倍首相が発表」と打ったのだ。

 こうした見出しが躍れば、実際はどうであれ、安倍首相が地震対応に「全力で」当たっているということが印象付けられる。
だからこそ、安倍首相は新たな数字を自ら発表したのだろう。

 だが、じつはこの安倍首相の発表内容は、大きな間違いだった。
実際、消防庁災害対策本部が今朝の6時15分に公表した「被害の状況」では、死者は8人、心肺停止が5人、重症3人。
それが約3時間後におこなわれた閣僚会議で安倍首相の口から出た数字は死者が倍に跳ね上がっていたため、各社が一斉に「死者16人」と報じた。
しかし、取材をしてもその数字の根拠がつかめない。事実、NHKは「16人死亡 安倍首相」と打ったあとも、NHK調べとして「死者8人、心肺停止8人」と伝えていた(12時4分配信)。

 そして、夕方におこなわれた会見で、菅義偉官房長官が死者数を9人に訂正、安倍首相の発表した数字は、死者9人と心肺停止者7人をまとめて死者数として発表していたと陳謝したのだ。