会社の後輩を初めて打ち合わせに連れて行った時の話。
先方の会社ビルに着いた時、その後輩が
「あ…私ダメです。ここ入れないです。」
といった。
その後輩、俗に言う「見える系」の人間らしく日頃からよくそんな話をしていた。
俺は霊感は無いし口には出さないけどそういうのは全く理解できない。
そもそもそのビル自体、いわゆる駅ビルで毎日かなりの人間が出入りしているし「大丈夫だろ」と言っても
後輩は
「すみません。これ以上進めないし無数の手に掴まれていて。俺さんの足にも…」
とか言ってて建物の前で何度か説得していたけどだんだん面倒臭くなり、若干見捨てた感じで
「んじゃもういいよ。あの喫茶店で待つか先に会社戻ってて」
と一人で打ち合わせに行き、終えると後輩は喫茶店で待っていた。
「会社とお客さんには急に体調を崩したって伝えといたけど、この先そんなのあったら仕事に差し支えるけどどうすんの?」
と言うと「すみません」とだけ言って無言になった。
その後輩は会社に戻ると打ち合わせに行けなかった理由を真面目に話したらしくて
「あの建物ヤバイ」と皆に伝えていた。

霊感とかない俺からすれば全く考えられないんだが、
実際にそういうのを仕事の場に持ち出された場合にどこまで考慮してあげるべきなんだろうな。
上司に相談すると逆に何度も説得されたが結局その後輩を俺のチームから外してもらった。
後輩からすれば俺の神経が分からないだろう。
そういう人は仕事どころか普通の生活にまで支障がありそうだけどどうやって生きてくの。