日本大学アメリカンフットボール部の危険タックル問題で、内田正人前監督(62)は常務理事を辞任するところまで追い込まれた。
元理事の一人は、「理事会の仕組みを根本的に改めない限り、この問題が解決することはない。大塚吉兵衛学長(73)は、会見で自分自身が大学のトップであると強調しているが、日大のトップは田中英寿理事長(71)で、内田前監督の最大の後ろ盾。
内田前監督がいなくなったとしても、理事長がそのままでは問題は何も解決しない。大学の対応が遅れた背景にも、理事長の存在があることは関係者はみんなわかっている」と話す。
田中理事長は、日大の“ドン”とも呼ばれている。大学の資金に大きな権限を持ち、政敵には非情な人事をすることで知られている。
「田中理事長は、自らに敵対した人間は徹底的に外す。気に入らない職員は異動で本部から遠ざけ、元教授で退職後に大学に入れなくなってしまった人もいる。それが怖くて周囲はイエスマンばかり。理事会も評議会もほとんどが田中派で占められている」(前出の元理事)
「田中理事長が頭角をあらわしたのは、瀬在幸安総長(96〜05年)の時。ただ、在任中から二人は対立し特に05年の総長選挙は激しいものでした。瀬在さんの自宅には銃弾付きの脅迫状も届き、そこには『晩節を不名誉と血で汚すな』『辞職を勧める』と書かれていました。」
だが、田中氏のもとからは次々に人が離れていく。瀬在氏だけではなく、小嶋氏やその後任である酒井健夫元総長も、就任後に田中理事長と距離を取るようになった。田中理事長の周りに人がいなくなるのは、“黒いウワサ”が絶えなかったからだ。
「田中理事長は、学内の建設工事で業者からリベートを受け取ったり、暴力団関係者との付き合いが疑惑として持ち上がるなど問題が多かった。それで、歴代の総長は就任後は田中理事長の学内の影響力を削ごうとしてきた」(前出の日大職員)
田中理事長の疑惑については、検察出身の弁護士など6人による特別調査委員会が学内で立ち上がったこともある。05年8月には中間報告書もまとめられた。校舎新築工事に関連して田中理事長が業者からリベートを受領したことや、
暴力団関係者との交際についても疑いの強い事実として認定され、同様の内容はメディアで報道されたこともある。

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