随分と前の話。期末を目前として課の職員
総勢22名で終わりの見えない仕事をやっていた。
例えるなら河原の砂利を一粒つずつ形と大きさ別に
分類するとか、広辞苑に載ってるすべての文字の
出現回数をカウントするとか、あまりにも膨大な仕事。

それでも10日以内に終わらせないといけないので
ほぼ毎日泊まり、1日数時間の仮眠で頑張っていた。
何しろ終わりが見えないどころか、今どの辺なのか、
もう真ん中を過ぎたのか、あるいはいきなり終わるのか
まだまだ序の口なのか、それすらわからない。
思考停止のまま黙々と、黙々と、本当に誰も喋らずに
仕事を続けていた。その8日目の夜。作業を統括していた
課長が突然笑い出した。どうやら、やっと終わりが見えたらしい。
以下、そのときの課長の言葉。

「・・・お尻だ。おい、お尻が見えた!みんな!お尻が見えたぞ!
尻だ尻だ!やっとお尻が見えた!お尻が見えた!!バンザーイ!!」

俺を含めた職員全員がボーッと見守る中、尻が見えたと大はしゃぎする
課長の図をふと思い出してクスッとした。