ほぼジーサンの今からウン十年前の記憶
あるメーカーで駆け出しエンジニアとしてエンジンの設計をやっていた。
部内の不要書類や部品の廃棄をしてスペース確保をするように管理部門から通達があり、
ペーペーとして大掃除をやっていたんだが、図面ラックのある一段にエンジンの図面一式
が詰め込んであったので、中身を確認したが試作図面のようで敢えて保管する必要もなさそう
だったので、課長に廃棄を具申した。
ちょっと間をおいてから、捨てていいよ、の返事をもらってシュレッダーへ投棄した。

その日の残業時間、古株の係長に呼び止められてその図面の来歴を聞かされた。

あれはな、課長が新規プロジェクトで新エンジンの開発をやった時の図面一式だったんだよ。
ちょうど試作エンジンが回りだした頃に開発中止が決まってな。会社が金が足りなくて。
開発チームみんなで酒飲んで悔し泣きしたよ。
課長の気持ちを思うとなかなか処分できなくてな。まあ潮時だったな。

知らなかったとはいえ、やっちまった感が尋常じゃなかった。