それはこんなことからだった。
彼の為に作ったA子が料理に対して彼が「あ、でもちょっと味付けがな…もっと濃いめでも良かったけど。まあでも美味しいよ」
きっかけはその一言だった。
なぜか、A子は彼のその一言に無性に腹が立った。
次の瞬間
A子「あのさ、そいうこと言うの良くないと思うよ。だってせっかく作ったのに気分悪いじゃん!」
言ってしまった。
しかし、彼は
「ごめんごめん、そういうつもりじゃなかったんだけど。ごめんごめん、本当に美味しいよ」と素直に謝った。
このやりとりがA子を変えていく。

彼氏がゴミ出ししようとしたとき
彼氏「ちょっと!ゴミ出ししたら新しいビニール袋つけといてよ」
A子「ああ、わかった」
A子が思ったことを口にすると彼がそれに従ってくれる。
それはA子にとって人生で初めてのことだった。
実はA子は幼い頃から自分の思いを聞いて貰った事が無かった(本当かな?)
それは母親だけではなく、以前付き合った彼もA子をリードするタイプで自分の意見なんて言えなかった。
そして今度付き合う人は自分の思いを伝えられる人がいいと思っていた。
そして出会えた彼がなんでも自分の言う事を聞いてくれる。それが愛情だとA子は勘違いした。

結婚後、それは激しくなっていく。
デートで彼氏が「寒いな」と言っただけで
A子は「え!?楽しいって言わないの!?」と無性に腹が立った。