半谷清寿「将来之東北」の東北評

「東北に産物あれども商品なし」「東北の商人は輸入商のみ」「東北は行商の蹂躙する所となれり」
「東北には通商発達せず」「東北の事物は摸倣的なり」
「家屋の構造は西南に倣へり」「衣服の制も西南に倣へり」「履物の制も西南に倣へり」
「食物の制も亦西南に倣へり」「東北人は西南に学んで西南に抑制せらる」
「神も仏も西南にあらざれば尊ばず」「名所古跡亦西南にあらざれば賞美せず」
「東北人は火を濫用せり」「東北人は薪炭料の為めに半歳を費す」「東北の自然物は一も利用せられず」
「東北の貯蓄は消極的にして物品貯蓄なり」「東北人の旅行は徒労なり」「東北人は内に争ふて外の争はず」
「東北の歴史は徹頭徹尾失敗の歴史」「東北人は内弁慶にして外味噌なり」「東北人自から其生活の困難なるを知らず」
「東北人は信用の重んずべきを知らず」「東北にては富者貧者を利害を異にす」「東北人は共同の利益を知らず」
「東北人は公共の為めに尽せし人を表彰せず」、「屈辱の文字のみを日本史に留むるは、実に東北の一大恨事」



「東北は東北の特色は如何の点に存するかを研究してその特色を発揮する」
「東北は東北自然の大法に則りて進歩発達する所以の道を講せざるべからず」