この流れで思い出した冷め話

当時私も彼も一人暮らししていてお互いの部屋にお泊りに必要なものなど付き合いが長くなるにつれて荷物なんかも徐々に増えつつあった。
しかし、私が生活必需品が置いてある程度だったのに比べて、私の部屋には彼の趣味の荷物(パンクバンドをやっていて、ギターとかパンクの雑誌とか、CDとか色々)増えていった。
そして、彼の部屋にいる時も私の部屋にいる時も、常に彼好みの音楽がかかっているような状態。
正直そんなに趣味は合わなかったが、そこまで不快でもなかったし彼もそれでも楽しそうだったのでその状態が暫く続いていた。
ある日、私が好きなアーティストが何年かぶりにアルバムを出したのでそれを買って、部屋で聴いていた。
そこに遊びにきた彼が、かかっている曲に対して「何これ」と言いながら当たり前のようにCDを取り出し、またいつもの自分のものを流し始めた。
「え?これ聴いてたんだけど」と言うと「俺これ嫌だ」と言われ、この瞬間我に返ったというか、スーッと冷めていくのを感じた。
その後別れて荷物がなくなった部屋を見てものすごい爽快感。
知らず知らずのうちに無理してたんだなあと気がついたよ。