不謹慎ネタだけど

祖父は海軍兵学校の75期生。
卒業の年に終戦して、最後の卒業生となった学年。
原爆が広島に落とされた時も江田島で訓練していて、キノコ雲が見えたらしい。
祖父は寡黙な人で戦時中のことは何も語らなかったけど、祖父の葬式に同期生代表で来てくれたお爺さんが色々な話をしてくれた。

原爆が落ちたとき、学生たちはそれがどういう爆弾なのかをいち早く知った。
敵の強さを見せつけられて呆然とする人もいたけど、あの美しく強大な爆弾を日本が先に作れなかったことを悔しがる人の方が多かったらしい。
あのキノコ雲の下で全てが焼け爛れたと思うと、神の鉄槌のごとき力を人類が手に入れた歓喜に体が震えたそうな。
もちろんお爺さんもその一人で、落とす側に回る日がくることを楽しみにしているとか。

何が衝撃的って、お爺さんが軍関係者以外でこの話をしたのは私が初めてだということ。
「目を見れば、お嬢ちゃんが私と同じことを考えているとすぐに分かったよ」と言ったお爺さんの勘は見事に当たっている。
私が教科書の原爆の写真を見て最初に思ったのは「すごい!この爆弾欲しい!」だったから。
世の中にエスパーっているんだなと思った。