元職場が文字通り物理的になくなった時の修羅場でも。

ウツで退職してから2年後、あの震災の津波で元職場が文字通り跡形もなく消えていた。
もちろんそのまわりの見慣れた会社もすべて…

その景色に唖然としながら、その日は近くを流れる水路のヘドロ掃除をひたすらやっていたのだが、
吸引機のホースに左腕を吸い込まれたのが最大の修羅場。
血がどんどん左腕の方に吸われていく感覚。
意識が遠のく中、「左腕がなくなっても命さえあれば贅沢は言わない」と思った時に、
ようやく仲間が機械の本体に到達してOFF。
ホースから出した左腕は紫色になり異様に膨れ上がっていた。

その水路からは壊れた家のサッシやら家電やらが多数出土されたが幸い人骨は出なかった。
左腕は今も健在です。なおかつての同僚たちは早めに避難していたそうで、
一昨年たまたま出会った取引先の営業から、犠牲者がいなかったことを聞いて安心した。