衝撃的な内容なので、横国関係者は読まないほうが良いかもです。
もちろん、横国を貶めるつもりは毛頭なく、2021年横国入試で何が起こったのかを正確に伝えることが目的ですのでご理解ください。記事の内容に誤りがあればご指摘下さい。
奏が実際に出願した横浜国立大学理工学部を例にとって説明していきます。
結果として起こった事実は以下の4つ。

1.共通テストだけで判定されることとなり、高得点を取れた者のみが出願したため、ボーダーが爆上がりした一方で、多くの人が出願を自重したため穴場学科も発生し、共通テスト7割未満で合格する事態になった。
2.大量の入学辞退者が発生し、3月下旬になってから大量の繰り上げ合格者を出した。
3.大量の繰り上げ合格でも全く定員を埋めきれず、3月末になってからビックリする人数の前代未聞の追加募集を行った。
4.欠員補充の追加募集に1300名以上の大量出願があり、出願会場に長蛇の列が出来、ディズニーアトラクション並みの待ち時間&大混乱となった。

インタビュー記事で横国理工学部長の真田氏は下記のように述べています。
「後期日程の合格者のなかで入学手続きをした人が非常に少なかったということです。ただ、数字としては出ていますが、まだ分析しきれていません。なぜ入学しなかったのかを聞いたわけではないですし、分かりません」
分かりません?
いやー、分かるでしょ。言いたくないのは分かりますが。

横国理工学部長が「分かりません」と語ったこの理由、結論から申し上げると多くの受験生が横国理工より早慶理工を選んでいるという事なのです。
その理由を以下で説明していきます。
横浜国立大学の前年度2020年の辞退率は、
前期試験 420人合格⇒390人入学(辞退率7.1%)
後期試験 325人合格⇒249人入学(辞退率23.4%)
となっており、例年比較的高めです(特に後期試験)。
辞退者は、早慶理工学部進学、浪人選択、その他私立大学進学(理科大・上智など)と考えられます。
これを踏まえて2021年入試を検証します。
2021年入試は個別試験(二次試験)を廃止し、共通テストだけで判定されます。
前期試験 1239名(2020年)⇒625名(2021年)△49.6%
後期試験 2205名(2020年)⇒997名(2021年)△54.8%

問題は後期試験で辞退者がどれだけ増えると予想するか、です。
2021年横国後期試験の特異性は二次試験当日辞退者(未受験者)がいないことです。もちろん、国立前期合格者は権利がないので出願取り消しとなりますが、それ以外の方は自動的に合否判定されます。
例年の入試では、早慶理工(横国後期試験前に合否判明済、入学金支払済です)などに進学を決めた者は、後期横国に出願していても後期試験を欠席していました。
そもそも、横国理工と早慶理工のW合格者の進学先は各予備校のデータなどから横国、早慶で五分五分と言われていましたが、それはあくまで後期横国を受験した者だけのデータであり、後期試験欠席組の潜在的辞退者を加味すると多くが早慶理工を選んでいるのではないか、と言われていました。

横国は後期試験の合格者を前年の325名から362名(+37名)に増やしました。
えっ??たったの37名?そうなんです。たったの37名しか合格者を増やさなかったのです。
今年の横国後期出願者(かつ、前期国立不合格者)は共通テスト高得点の割合がとても高く、少なく見積もっても上位3割程度は早慶理工どちらかに合格している可能性が高かったものと思います。
それに加え、東大落ちなどで浪人を決めている者もいるはずです。
そう考えると潜在的辞退者はどんなに少なく見積もっても100名以上いると考えられ、合格者数は少なくとも100名以上は多く出すべきであり、たったの37名と見積もったのは重過失レベルの判断ミスと思います。
出願に併願校を書かせているので早慶理工受験者数は確実に把握できているはず。どのような計算で37名にしたのか、不思議でなりません。
ちなみに後期試験合格者の入学辞退者は
2020年 325名合格中249名入学⇒辞退者76名
2021年 362名合格中156名入学⇒辞退者206名
と130名も多いという結果となりました。
この130名がどのような進路を選択したかは想像でしかありませんが、多くは早慶理工学部を選択したものと思います(その次は浪人選択だと思います)。
この2021年入試で、横国と早慶理工のW合格者は殆ど早慶理工を選んでいるということが明確になったものと思います。
仕送りが必要となる地方出身者であれば横国選択も結構いると思いますが、首都圏の場合はほぼ早慶を選んでいるのではないかと思います。
実際、我が家の2人も同じ選択でした。