ミッションスクールは言うまでもなくキリスト教を信仰する人のために設立された学校ではない。
本来の意味は「ミッション=伝道、布教」であり、基本的には信者以外の方に入校してもらい、キリスト教に興味を持ってもらうことを主眼としている。

ただそのためには、ある程度、教員はキリスト教徒である方がいい。
だから神学部の教員に関しては多くはカトリック信者である。

さらにいえば一部にキリスト教に対してある程度、理解がある学生がいた方がいい。
この学生の割合を上智大学は1割と設定している。

上智大学はそのために、カトリック高等学校対象特別入試を設けている。
この入試を経て入学する学生は学生全体の1割である。
別にカトリック信者である必要はない。
この入試で上智大学が求めている学生像は「カトリック精神の素地を身につけている者で、本学への入学を第一志望とする者」
これだけである。

上智大学は規律が厳格なカトリック系の大学でありながら宗教に関しては寛容である。
国際基督教大学の教員は全員、キリスト教徒であることが定められているが、上智大学は「学長」すらキリスト教徒ではない。
仏教徒やイスラム教徒の学生も多くいる。
学内には「上智大学イスラーム研究センター」があってイスラム研究が盛んである。
https://dept.sophia.ac.jp/is/SIAS/

また上智大学は関東以外の地方の高校出身の学生が非常に少ない大学である。

上智大学2018年卒業者の出身都道府県人数は下記のとおり

北海道  23人
東北   81人
北関東(栃木・群馬・茨木)168人
南関東(埼玉・千葉・東京・神奈川) 2066人
甲信越(山梨、長野、新潟) 41人
北陸(富山、石川、福井) 24人
東海 159人
関西 93人
中国地方 41人
四国 16人
九州 99人
海外からの留学生 156人 

関西出身の合計より海外からの留学生の方が多いのである。
埼玉・千葉・東京・神奈川の4都県出身者の占める比率は75%

海外からの留学生のほうが、北海道と東北出身の合計より多いくらいなのである

海外と関東出身を除くと上智の地方出身者は2割以下。
その数少ない地方出身者の半数近くは、地方のカトリック系高校の出身者なのである。

さらに、上智大学の学生は私立中高一貫校出身が多くを占める。