>>43
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ニュートンが部屋のドアを開けると書類がすっかり燃え尽きたところで、20年来の苦労が
ただの灰の山に帰したことを悟った。そこにはいたずらの張本人であるダイアモンドがち
ょこんと立っていた。たいがいの人であれば即刻処刑を言い渡すだろう。だがニュートン
は悲しみながらもいつも通り犬の頭をやさしく撫でてやった。
「ダイアモンドよ。」ニュートンは朗々と言った。「かくのごとき小さき者は自分が成した
ことの自覚はあるか。」