2019年東大理類数学分析
https://ameblo.jp/destiny20180225/entry-12443533860.html


今年の東大理類数学は極度な難問こそなかったものの取り組みやすい問題もなく全体的に標準〜やや難レベルの問題によって構成された。
全6題中3題が数Vからの出題、数U微積も出題されている。数A・数Bの出題比率が高い東大にしてはやけに数V重視となった。
そして、2年連続で確率が出題されなかったのも驚きだ。

第1問
数V
部分積分・置換積分
レベル2
他の大学ではよく見られるが、計算1発の問題を東大が出題するのはかなり珍しい。
展開によって現れる4項のうち3項は部分積分で比較的簡単に求めることができる。残り1項は置換積分で求める。計算力がものをいう1題。

第2問
数U
微分法
レベル3
文類の類似問題だが第1問より難度が高い。3つの動点を定める変数3つを設定し、面積の条件から1変数だけで長さの比を表す。
この時増減を調べるが定義域に注意する必要がある。

第3問
数B
空間図形
レベル4
1996年以前の教育課程を思い起こさせる本格的な空間図形の問題で、かなり手強い。
⑴2018年第6問にも見られた新傾向の図示問題。問われている内容はそんなに難しくないが、場合分けに注意。
⑵平面αと八面体のどの辺が交わるかを考える。どの3つの交点も同一直線上にない点に注意。
⑶八面体の辺と平面αの交点の座標を計算。切り口を求めたら、yz平面に正射影し求める。

第4問
数A
ユークリッドの互除法
レベル3
与えられた2つの数の最大公約数に注目し、2数の積が平方数とならないことを示す問題。
⑴ユークリッドの互除法を用いて求めるが、場合分けに注意。
⑵背理法を用いて解く。

第5問
数V
数列の極限・微分法
レベル4
⑴解となり得ない区間を除いて考えることで、適当な区間での増減を調べる問題に帰着。
⑵⑴をヒントにして解く。
⑶はさみうちの定理を上手く活用する。

第6問
数V
複素数平面
レベル4
実数係数の4次方程式の4解が条件を満たすときに、4解のうち2解の和が複素数平面上で描く図形を図示する問題。第5問に続き、かなりハイレベルな1題。
⑴実数係数なので虚数解は必ず共役な解をもつ点に注目。
⑵条件3を活用し解の種類を絞る。
⑶場合分けが生じるが、いずれも同じ図形を描く点に注意する。

理V突破のためには、まず第1問・第2問・第4問を取りたい。あとは第3問・第5問・第6問で部分点を稼ぎ80/120点を取れれば十分だろう。去年のセットなら90点は欲しいところだが、今年は80点が限界だと思われる。