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国立大も木枯らし 「北陸帝国大学」構想  “吸収合併”名指しの大学名 新潟大の内部資料独占入手で判明
週刊朝日 1999年12月3日号 

新潟大学が東北、北関東も含めた「地域拠点大学」として生き残る構想を書いた文書を本誌は入手した。
文書では「駅弁大学は存続の根拠が乏しい」と切り捨て、新潟大学がそれらの地域の受け皿大学となるべきだと述べている。

(中略)

「新潟大学が、『地域拠点』性をもとうとすれば、次に列挙する程度の県・地区における国立、公立、私立の各大学の各学部の高等教育・研究の高度化の受け皿としての『拠点』大学としての体制を整える必要があろう」
 そこには、新潟、富山、長野、山梨、福島、山形、岩手、秋田、青森、群馬、栃木と、宮城以外の東北の各県と、北関東と北陸、甲信越の県名が列挙されている。

(中略)

この表の説明として、「『地域拠点としての新潟大学」という観点から考える限り、新潟大学のみの学生数ではなく、当該地域における受け皿として、地域全体の学生定員を考える必要がある。
その場合、地域内の国立大学のみではなく、当該地域内の公立大学や私立大学をも視野に入れて、その受け皿として、新潟大学の各分野の学生定員を算定すべきであろう」と述べている。
取りようによっては、新潟大がこれらの6大学の吸収合併を構想しているともとられかねない表記だ。ここに挙げられた六つの国立大学を明かせば、山形大、秋田大、福島大、群馬大、宇都宮大、信州大である。

(中略)

さらに文書では、99校の国立大学のうち50校の総合大学の選別が必至の状況だとの認織を示したうえで、
それらの総合大学を、人文社会、自然、生命系の学部、大学院がどれだけそろっているかによって、ABCDの4ランクに分類。
Aランクの14校には、東大、京大など旧帝大7校や筑波大、千葉大、金沢大、神戸大、岡山大、広島大とともに新潟大が名前を並べている。

「新潟大学の目指すべき道」のくだりでは「存続を賭けての競争への登場者」として、「地域拠点+学際的基幹という役割を果たすことのできる総合大学にふさわしいものとして、
(先の)全国50の大学の中で、とりあえずは27大学が検討の対象となってこよう」と分析し、
Aランクの14校と、BCDランクの中から山形大、埼玉大、お茶の水大、一橋大、横浜国立大、信州大、静岡大、奈良女子大、愛媛大、長崎大、熊本大、鹿児島大、琉球大をライバルに挙げている。

自画自賛の気配をところどころに感じさせる文書なのだが、以上の内容を総合すると、存在理由の乏しい駅弁大学は廃止して、
その学生は地域拠点大学である新潟大学が受け皿となって引き受ける、と言おうとしていると解釈できなくもないのだ。

(中略)

新潟大学が東北地方や北関東まで含めた地域の拠点大学だというのは、通常の地理的感覚からいって、無理があるのではないでしょうか

(後略)