今年度の「化学」の平均点は51. 94点で、昨年度の54. 48点から2. 54点低下した。新課程初年度
の62. 50点(得点調整前は59. 21点)と比較すると、10点以上の低下である。今年度の他の理科教
科の平均点は、「物理」が62. 88点、「生物」が68. 97点であった。これらと比較しても、今年度の
「化学」がいかに難しかったかが分かる。昨年度、「化学」の平均点が大幅に低下したことを受け
て、本委員会は適正な難易度の問題を出題するように強く要望したが、それが無視された形となり
遺憾に思う。以下に指摘するように、問題の設定を複雑にすることによって、明らかに難易度が高
くなっている問題がいくつか見られる。昨年度、「化学」の平均点54. 48点が低すぎるとの本委員
会の指摘に対して、問題作成部会は“「平均点60点でなるべく変動しないこと」という作題の基本
ワロタ方針からして、適切な範囲であったと判断している”と回答された。今年度の51. 94点に対しては、
そのような回答を受け入れることは難しい。