そこで私は、そのような業界のうち、自分の行く予定の研究科に属するようなジャンルのものをピックアップ
してみました。その中で際立っていたのが半導体化学というジャンルです。これは半導体産業に材料を供給する
一群の化学メーカーを呼ぶものですが、いわゆるエチレンプラントを持つような巨大メーカーは参入しておらず、
それよりも遥かに小規模な化学メーカー数社で世界シェアの9割が握られているニッチ市場です。
似たようなものにはガラス化学産業や光学レンズ化学産業などがあり、いずれもほんの数社によって世界シェアが
握られているという事に気付きました。

次に私が考えた事は、社内での人員の流動性についてです。私は就職するなら、好きな仕事を好き勝手にやれる
立場じゃないとやってらんねえと思っていましたので、ルーチン業務になりがちな部門はお断りでした。
大手企業の場合、配属先決定後は簡単には異動出来ない可能性が高く、まかり間違って営業部やら品質系の部門に
なんか行ったら目も当てられない事態になる事が予想出来ました。

さらに超大手の場合、上から言われた事だけやってればいいといったスタイルになりがちという点もOBから
聞いてゲンナリしていたため、敢えて中堅の企業を狙うという事にしました。超大手を除き名が知られている
半導体化学メーカーというと外資含めて15社あまりになります。私はここにエントリーシートを出しました。